外国税額控除シミュレーター
米国株など外国株の配当は、外国で税金が引かれたあと、日本でも課税される「二重課税」になっています。確定申告で外国税額控除を使うと、外国で引かれた税金の一部または全部を取り戻せます。年収と配当額を入れるだけで、確定申告で戻る金額と、申告不要・申告分離課税・総合課税の3つの方式の税負担を並べて確認できる無料ツールです。
2026年分(令和8年分)の所得税と2027年度の住民税の制度にもとづく試算です。会社員(給与所得者)が特定口座(源泉徴収あり)で受け取った外国株の配当を、今年分だけ計算します。
このツールが役に立つ人
- 米国株など外国株の配当があり、外国で引かれた税金を取り戻せるか知りたい方
- 確定申告をするかどうかを、手間に見合う金額かどうかで決めたい方
- 申告不要・申告分離課税・総合課税の3つで、配当の手取りがどれだけ変わるかを見たい方
- 配当所得を申告すると住民税や社会保険料に響く点まで確かめたい方
3人の例で見る
カードを選ぶと、その条件が下の入力欄に入り、結果が計算されます。掲載している金額は本ツールで計算した結果です。どの方式を選ぶかは、扶養や社会保険料への影響も含めてご自身でご判断ください。
税金や社会保険料を引く前の、勤め先からの支払総額です。所得税額と、控除できる上限の計算に使います。
特定口座年間取引報告書の「配当等の額」に当たる、外国の税金を引く前の年間合計(円)です。NISA口座で受け取った配当は含めません(外国税額控除の対象外です)。
同じ報告書の「外国所得税の額」です。米国株は配当の10%が自動で入ります(他の国や実額がわかる場合は書き換えてください)。租税条約の限度税率(米国は10%)を超えて引かれた分は控除の対象になりません。
今年、上場株式などを売って出た損失があれば入力してください。申告分離課税を選ぶと配当と損益通算できます(総合課税では通算できません)。
試算結果
申告分離課税で確定申告すると戻る税額
申告分離課税で確定申告すると増える税額
源泉徴収で引かれた税額と、確定申告後の税額との差です。所得税は還付、住民税は翌年度の税額に反映されます。
今年は控除できません。翌年以後3年間、控除できる年に繰り越せます(本シミュレーターは繰越を計算しません)。
3つの方式の比較
| 申告不要 | 申告分離課税で申告 | 総合課税で申告 | |
|---|---|---|---|
| 配当にかかる日本の税 | |||
| 外国税額控除 | |||
| 配当の手取り | |||
| 給与と合わせた年間の税額 |
「配当にかかる日本の税」は、給与だけの場合と比べて増える所得税・住民税の合計です。「配当の手取り」は、配当額から外国の税金と日本の税を引いた金額です。
このケースでは、申告分離課税で確定申告すると税負担が増えます。主な理由: 源泉徴収は外国の税金を引いた後の金額に対して行われるのに対し、確定申告では引く前の金額が所得になるためです。あわせて、配当を申告すると合計所得が増え、基礎控除の減少や住民税の課税に影響することがあります。
外国所得税のうち控除しきれなかった分は、翌年以後3年間繰り越せます。来年以降に控除の余裕がある年があれば、その年の確定申告で控除できます。
入力された外国所得税の額が、配当の10%(日米租税条約の限度税率)を超えています。超えた分は外国税額控除の対象になりません。米国株で30%引かれている場合は、証券会社にW-8BENの提出状況を確認してください。
給与だけでは住民税がかからない水準ですが、配当を申告すると合計所得が増えて住民税(均等割・所得割)がかかることがあります。
譲渡損失との損益通算で配当所得が0になるため、配当にかかる所得税・住民税は0ですが、外国税額控除の上限も0になり、外国所得税は全額が繰越の対象になります。
このケースでは、総合課税で申告した場合の税負担が申告分離課税より小さくなっています(外国株の配当には配当控除がないため、所得税率5%〜10%の方に限られる傾向があります)。
計算根拠
- 控除の対象になる外国所得税
- (うち対象外)
- 所得税の控除限度額 = 所得税額 × 配当所得 ÷ 所得総額
- × ÷ =
- 復興特別所得税の控除限度額
- 住民税の控除限度額(所得税の控除限度額の30%)
- 給与だけの場合の所得税・住民税
- ・
表示している金額は、すべて入力された前提にもとづく概算です。実際の税額は、確定申告の内容と税務署・お住まいの市区町村の決定によります。
制度の内容は今後の改正で変わることがあります。実際の申告の際は、国税庁の確定申告書等作成コーナーや税務署でご確認ください。
この計算機は、特定の証券会社や金融商品の利用を推奨したり勧誘したりするものではありません。
二重課税と外国税額控除とは
米国株の配当は、まず米国で10%(日米租税条約の限度税率)が引かれ、残りの額に日本で20.315%(所得税15.315%・住民税5%)が課されます。同じ配当に2つの国の税金がかかる状態を「二重課税」といい、これを調整するのが外国税額控除です。確定申告をすると、外国で引かれた税金を、控除の上限の範囲で日本の所得税・住民税から差し引けます。
控除の上限(控除限度額)
所得税の控除限度額は「その年の所得税額 × 国外所得(配当)÷ 所得総額」で計算します。所得税から控除しきれない分は復興特別所得税、さらに住民税(所得税の控除限度額の30%が上限)の順に控除します。それでも残った分は翌年以後3年間繰り越せます。年収が低く所得税額が小さい方は、上限も小さくなります。
申告不要・申告分離課税・総合課税の違い
特定口座(源泉徴収あり)の配当は、確定申告をしない「申告不要」のままにできますが、その場合は外国税額控除を受けられません。申告する場合は、その年に申告する上場株式等の配当の全部について、申告分離課税(税率20.315%・譲渡損失と損益通算できる)か総合課税(給与と合算して累進税率)のどちらかを選びます。外国株の配当には配当控除がないため、総合課税が有利になるのは所得税率の低い方に限られます。2024年度分からは、住民税も所得税と同じ方式になります。
申告すると負担が増えることがある理由
源泉徴収は外国の税金を引いた後の金額に対して行われますが、確定申告では引く前の金額が配当所得になります。また、配当を申告すると合計所得が増えるため、基礎控除が減ったり(2026年分は合計所得489万円・655万円を境に段階的に減ります)、給与だけなら非課税だった住民税がかかったりすることがあります。控除で戻る額より、これらの増加分が大きい場合は、申告しない方が税負担は小さくなります。
米国株の配当を受け取るには、外国株に対応した証券口座が必要ですPR
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老舗ネット証券・松井証券は、米国株の取引に対応しています。特定口座(源泉徴収あり)とNISA口座のどちらでも米国株を保有でき、NISA口座で受け取る配当には日本の税金がかかりません(米国での源泉徴収はあります)。
あわせて使う
円建てリターン計算機
米国株や全世界株に円で投資していた場合の実績。株そのものの値上がりと為替の影響に分けて確認できます。
手取り計算機
年収から手取り額を計算できます。配当の税負担を給与の税額と並べて確認するときに。
新NISA 積立→取り崩しシミュレーター
NISA口座なら配当への日本の課税はありません(外国の税金は引かれます)。非課税枠の使い方を計算できます。
前提と免責
- 会社員(給与所得者・年末調整済み)で、独身・扶養家族なし・40歳未満・社会保険料は協会けんぽの概算、iDeCoや生命保険料控除などの他の控除がない前提で計算しています。家族構成や他の控除がある場合、税額と控除の上限は変わります。
- 特定口座(源泉徴収あり)で受け取った外国株の配当を、今年分だけ計算します。外国所得税の繰越(前年以前3年分の控除余裕額・控除限度超過額)は計算していません。
- NISA口座で受け取った配当に課された外国の税金は、外国税額控除の対象になりません。
- 租税条約の限度税率(米国は10%)を超えて引かれた外国の税金は控除の対象になりません。超えた分は入力しても控除の計算から除いています。
- 損益通算をした場合の控除の上限は、損失を国外の所得から差し引いたものとして少なめに計算しています。
- 住民税の控除限度額は所得税の控除限度額の30%として計算しています(政令指定都市とそれ以外で道府県民税・市町村民税の内訳は異なりますが、合計は同じです)。
- 配当以外の国外源泉所得、住宅ローン控除などの他の税額控除、国民健康保険料への影響、非居住者・非永住者の扱いは計算対象外です。
- 入力内容はブラウザ内でのみ計算され、サーバーへ送信されません。
よくある質問
Q1外国税額控除を受けるには何が必要ですか?
確定申告が必要です。特定口座(源泉徴収あり)で申告不要のままにすると受けられません。申告書に「外国税額控除に関する明細書(居住者用)」を添付し、証券会社の年間取引報告書などで外国所得税の額を確認できるようにします。
Q2なぜ全額が戻らないのですか?
控除には上限があるためです。所得税の控除限度額は「所得税額 × 配当所得 ÷ 所得総額」で、年収が低く所得税額が小さいほど上限も小さくなります。上限を超えた分は翌年以後3年間繰り越せます。
Q3申告分離課税と総合課税はどちらを選べばよいですか?
本シミュレーターは両方の税負担を並べて表示しますが、どちらを選ぶかはご自身の判断です。外国株の配当には配当控除がないため、総合課税が有利になるのは所得税率が低い方(課税所得が小さい方)に限られる傾向があります。総合課税では譲渡損失との損益通算ができない点にもご注意ください。
Q4申告すると住民税や社会保険料に影響しますか?
2024年度分から、住民税は所得税と同じ課税方式になります。配当を申告すると合計所得が増えるため、給与だけなら非課税だった住民税がかかったり、基礎控除が減ったりすることがあります。国民健康保険に加入している方は、翌年度の保険料にも影響します(本シミュレーターは会社員を前提としているため計算していません)。
Q5米国株で30%引かれています。全額控除できますか?
できません。日米租税条約の限度税率は10%のため、控除の対象になるのは配当の10%までです。30%引かれている場合はW-8BEN(米国の租税条約の適用を受けるための書類)が証券会社に提出されていない可能性があるので、証券会社にご確認ください。
Q6NISA口座の米国株の配当はどうなりますか?
NISA口座では日本の税金はかかりませんが、米国での10%は引かれます。この10%は外国税額控除の対象にならないため、取り戻すことはできません。